今年も、いつもと同じの幸せな実家のお正月が終わった。
普通のお正月。
家族のお正月。
母とのお正月。
実家を出る時には、いつも、寂しさがついてくる。
帰宅して思う。
私は実家にいる間、この幸せを、かみしめていただろうか。
同じことを何度も言う母。
食べこぼす母。
ポケモンに夢中の母。
雑な母。
そんな母にあきれてる私がいる。
聞き流してる私がいる。
食いしん坊で、朝から「昼ごはんは焼きそばが3玉とざるそばが3玉あるから、これと、なんとかとなんとかにしようか、足りるかな?」って、「いや、ざるそばはいらんで」と弟と私に言われて、焼きそばだけにして、「夜は、唐揚げと、しゃけと、伊達巻とキムチと、もう冷蔵庫の中の整理したいから、買い物は行かへんからなんもないで。 緑のものがないけど、もう買い物いかへんから。何か食べたかったら買っといで。牡蠣買ってきたら牡蠣フライしてあげるよ。ハムもきろか?白菜どうする?炊こか?いる?あっほうがいい?」ずうっとご飯のこと話してる。
そして、何もないといいながら、食卓は食べるものでいっぱい。唐揚げに野菜のかき揚げに蓮根フライに、里いもの煮物、大根のサラダ、トマトサラダ、白菜とアサリ抱き合わせ、玉子焼き、シャケの塩焼き、ぜーんぶ母がつくってくれた。
ひとつも残さず、ぜんぶ食べた。
おいしい、おいしいと言って、全部食べた。
ほんとにおいしかったから。
玉子焼き、いつもこげているのに、今日はこげてなかった。「こげてないね」と言うと、「お砂糖を入れてないからね。だし巻き卵だから。お砂糖いれなかったら、これくらいは焼けるよ」と。
伊達巻が大好きだけど、今日は伊達巻より母の玉子焼きを大事に大事に食べた。夫にパクパクっと食べられてしまわないように、お皿にとって確保して食べた。
唐揚げは昔ながらの母の味だった。生姜風味でちょっと甘い。
こんなありがたいことはないのに。
こんな幸せなことはないのに。
私はこの幸せをかみしめていただろうか。
実家のお正月はあと1年やってこない。
どうか、来年も、元気な母と過ごせますように。
母がこの1年も健康で、思う存分人生を楽しめますように。
今年もできるだけたくさん母に会いに行こう。
そして、普通の毎日を大事にしよう。
夫との生活も大事にしよう。
仕事もがんばろう。
なんでもない日常が送れることほどありがたいことはない。