本を読まない子供だった。
音楽も知らない子供だった。
子供の頃、何が好きだったんだろう。
よくわからない。
何かに夢中になることはなかった。
なりたいものもなかった。
勉強もあまりしなかった。
問題集を一冊やり遂げたこともなかった。
人は変わる。
45歳で国家資格をとった。
一冊の問題集を10回繰り返してやった。
食事、トイレ、お風呂の時間を削って勉強した。
自分がこんなに勉強する人間だったとは思わなかった。
子供の頃に勉強しなかったのは、今勉強するためだったのだと、思った。
それから、学びへの欲求はつきない。
知りたいへの欲求はつきない。
4年前に読んだ本をもう一度読んだ。
4年前に読んだ時は、早く読み終わりたくて、急いで読んで、何がいいたいのか、結局記憶に残らなかった。
悪い読み方の典型。
もう一度読んだ。
もう一度読んで、ちょっと涙がでかかった。
56歳の人間に向けた本ではないとはわかっているけど、私には今日出会う理由があったのだと思う。
もし子供の頃の私が読んでいても、わからなかったと思う。
遅いことはないと思う。
人はいくつからでも変わっていける。