50代からの出会うと別れ

結婚31年。子どもはいません。これからの人生は「別れ」が多くなると思います。そしてほうっておくと「出会い」は減っていくと思います。だから私はいろんなことに出会いに行きます。やりたいことはどんどんやります。実は50歳になってから毎日がとても楽しくなってきたんです。そんな毎日をしっかり書き留めていきます。目標は私が私に別れる時がやってくるまで。

父に会いに。

コロナのため、面会はロビーで。

 

父は、ロビーまでスタッフさんに手をひいてもらっておりてきた。

アベノマスクをして。

 

わたしのこと、まだ、わかる。

よかった。

 

ロビーのソファに座って、父はうとうとしている。

 

時々、父は「そろそろでかけようか」とか、「お昼を食べるから西のほうがいいな」とか言う。

「どこにでかけるの」とか、「西ってどこ?」と言ってはいけない

「そうだね」と答える。

 

6月2日 火曜日 午後4時3分。

今日はいい天気。

 

目をとじている父に、

「そろそろ帰ろうかな」と言うと、

「なんで」とかえってきた。

答えられない(苦笑)。

 

そしてまた、うとうとしている。

 

父を見ていると、なんでこうなっちゃったのかなと思う。

歳をとって身体が病気になるように、

頭だって働かなくてなってしまうんだろう。

 

父は身体は働くけど、頭が働かなくなった。

 

うとうと目を閉じている父の隣で、私はスマホをいじっている。

 

 

うっすら目をあけた父に、「よく寝れるね」と言うと、

「こんなことしかすることないもん」と返ってきた。

わかってる⁉︎

「食べること、寝ること、着ること」とも言った。

わかってる!

 

 

そろそろ、もうそろそろ、母のところ・実家に行かなければ。

 

「帰るね」と言って、ロビーに父をおいてきた。

いつもなら、外の門のところまで見送ってくれるんだけど、今日は来なかった。ソファに座ったままだった。