いい本だった!
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あらゆるマネジャーの最優先課題は、部下のしあわせと成功だ。
仕事以外のプライベイベートな話題からスターッフミーティングを始めよ。
ビルは1on1の準備を周到に行った。
ビルはいつも私たちに、ひとつのメールをトップから直接全員に送るように教え、自信もそうしたメッセージの書き方をきわめていた。
どんな状況にも、誰もが納得できる不変の真理が存在する。これがシリコンバレーでよく使われる用語・コンセプトである「第一原理(ファースト・プリンシプル)」だ。
規格外の天才は、優先すべきことをわきまえているか?おかしな行動が許されるのは、それが会社のためになる場合に限る。
会社の存在意義はプロダクトのビジョンを実現することにこそある。
ビルはプロダクトマネジャーに、今度インテュイットのエンジニアにほしい機能を指図するようなことをしたら叩き出すぞと言った。君らがエンジニアに伝えるのは、消費者がどういう問題を抱えているのか、どういう人がプロダクトをつかっているのかという、背景情報だ。そうすれば彼らは、君らが指図するプロダクトをはるかにしのぐソリューションを生み出してくれる。
プロダクトがすべてに優先する。
辞める人を手厚く扱うことは、会社に残るチームの士気と精神的安定を保つためにも大切だ。
短期目標は長期的成長ほど重要ではない、投資を抑制すれば長期的な成長力が失われるというのだ。ビルは反対だった。スリム化を図ってでも数字を達成したい、それが自分たちの目指す文化だと、彼は説明した。重要なのは短期目標の達成ではない、オペレーショナル・エクセレンスが少しでも欠けた状態を許さない文化を醸成することだ。株主のためだけでなく、チームや顧客のためにも結果を出すのが経営陣の仕事だ。
第一に彼はコーチングを受け入れられるコーチャブルな人だけをコーチングした。
謙虚さが重要な理由は、リーダーシップとは会社やチームという、自分より大きなものに貢献することだとビルが考えていたからである。
最近では「サーバントリーダーシップ」がもてはやされ、そうした姿勢が高い企業業績に直接結びつくという研究成果がある。ビルは流行りになるずっと前から、この考えを信奉し、実践してきた。
人はアドバイスを求めるとき、じつはただ認めてほしいと思っているだけのことが多い。
スウェーデン・ルドン大学の2003年の研究によれば、従業員の話を聞く、声をかけるといった「ありきたりの何でもないこと」がすぐれたリーダーシップの重要な側面だという。そうした行動は従業員に「自分は尊重されていて、目に見えない名もなき存在ではなく、チームワークの一端を担っていると感じ」させることができるからだ。
相手に全神経を集中させ、じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを先まわりして考えず、質問を通して問題の核心に迫れ。
数分後に電話がなった。当然、背中をポンと叩くような、優しい祝福の言葉をもらえるものと思って受話器を取ると、「君のとこのウェブサイトはクソだ」という、ビルの怒鳴り声が響いてきた。さらに、そのウェブサイトがいかにお粗末かという罵倒が数分続いた。
ビルは質問をし、耳を傾け、尻を蹴飛ばしてから、ほとんどの場合、何をすべきかを指図しなかった。
ありのままの自分をさらけだす。
人はありのままの自分でいられるとき、そして全人格をかけて仕事をするとき、最もよい仕事ができる。
1人ひとりのエゴの先にあるものを見通し、全員が力を合わせればどれほどの価値をうみだせるかを理解でき人物が必要なのだ。
問題そのものよりチームに取り組む。
「ビルはいきなり問題を解決しようとせず、まずチームに取り組んだ。問題を分析的に考えたりしなかった。チームに誰がいるのか。彼らは問題を解決できるのかを話し合ったんだ。」
「CEOの立場に立ったら、今まで以上に人に賭けろ。チームを選べ。人とチームのことをもっと考えろ、と」
グリッド 打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と今期強さ。
同僚同士の関係は重要なわりに見過ごされがちなので、チーム内でペアをつくってプロジェクトや決定に取り組ませる機会を設ける必要がある。
聡明で分析力にすぐれた人、とくに私達のようなコンピュータサイエンスや数学にどっぷりつかった人間は、どんな問題もデータやその他の具体的な証拠によって解決できると思い込みがちだ。
人間のチームにつきものの、本質的に厄介で感情的になりやすい緊張を、面倒で理不尽おのとみなし、データ主導型の意思決定プロセスで解決されるものと考える。
こうした状況は気まずいから、誰もがなるべく話題にださないようになる。そのせいで状況はさらに悪化する。
これがいわゆる「部屋のなかのゾウ」、すなわりあらゆることに影を落としているのに、誰もがみてむぬふりをする大問題。
最大の問題、いわゆる「部屋のなかのゾウ」を探して、部屋のどまんなかに引っ張り出し、真っ先にタックルせよ。
何が起こったかでも、誰が悪いのかでもなく、それについてどうするかに集中する。
すべきことに集中する。
さっさと不満大会を切り上げろ。
ネガティブな問題をすべた明らかにせよ。
だがそれにかかりきりにならず、可能なかぎり早く前へ進め。
ビルは毎週のスタッフミーティングに参加し、熱心に耳を傾け、参加者のボディランゲージを観察し、雰囲気の変化を察していた。
耳を傾け、目をこらし、理解やコミュニケーションのギャップを埋めよ。
人々の間の「小さなすきま」を埋める。
ブラッドリーはビルの手法を取り、「親身になる許可」を自分に与えた。戦術や技術の問題よりも、チームの問題に優先的に時間を割いた。チームメンバーを人間として知り、気にかけ、鼓舞し、檄を飛ばし、なだめすかし、彼らが重要なマイルストーンを達成しはじめると、勢いを持続できるように後押しした。問題ではなくチームに集中し、チームはそれに応えた。自由を与えれば与えるほど、リーダーたちは率先して動き始めた。
「親身になる許可」を自分に与える。
メンバーのことを知り、気にかけると、チームを導くことはずっと楽しくなり、チームは実力を遺憾なく発揮できる。
人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない。
創業者を愛せ。
強力なビジョンと情熱を持つ人に敬意を持ち、彼らを守れ。
エレベーターに乗った時、廊下で誰かとすれちがったとき、カフェテリアでチームを見かけた時、ちょっと立ち止まって話をしよう。「調子はどう? 何にとりくんでいるの?」
雑談の偉大な力
職場の同僚を愛することは、そう簡単にはできないかもしれない。それでも、自然にできるようになるまで練習を積め。
チームを何よりも重要とみなし、「チーム・ファースト」の行動を重視し、どんな問題にぶつかっても、問題そのものよりも、まずはチームについて考えた。最も深刻な問題いわゆる「部屋のなかのゾウ」をみつけてどまんなかに引っ張り出し、まずはそれに対処するようチームに促した。舞台裏で行動し、廊下での立ち話や電話、1on1ミーティングでコミュンケーションギャップを埋めた。